くろきつ

箱入り息子の恋のくろきつのレビュー・感想・評価

箱入り息子の恋(2013年製作の映画)
5.0
市役所勤務で実家暮らしの生真面目な独身男と目の不自由なの女性の不器用な恋愛模様と二人を想う家族の姿を描いたラブストーリー。

星野源初主演映画。十三年間無欠勤で真面目に働いてきた実家暮らしの天野雫健太郎が親に勝手にさせられたお見合いで出会ったのは目の不自由な奈緒子という女性だった。二人は恋に落ちるが様々な問題が二人を待ち受けていた。そんな二人の恋愛物語は他の綺麗事だらけの恋愛映画とは違う。不器用でどこか気持ち悪いながらも確かに愛のある物語だった。健太郎が奈緒子を想う気持ち。奈緒子が健太郎を想う気持ちに違いは全くない。そんな映画だった。私がいままで観た恋愛映画の中で一番愛おしくて心の底からの涙が流れる映画だった。まず出だしの印象が親離れできない男の不器用恋愛コメディだったのに対して、物語が進むに連れて唯一無二のどこまでもピュアな恋愛ドラマに変わって行った。恋愛には様々な問題があるものでどんなに大きな問題であろうと好きという気持ちだけで問題を越えようとする健太郎の姿がグッと来た。それ故にダサくて端から見たら嫌悪感を覚えるような行動になってしまってもその瞬間、健太郎の意識の中には奈緒子しか存在していないのだと感じた。これこそ真の恋愛映画だと思った。
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