くろきつ

ロード・トゥ・パーディションのくろきつのレビュー・感想・評価

4.4
自らが仕えるマフィアのボスの息子に次男と妻を殺された男が生き残った長男が復讐と逃避行の旅に出る姿を描いたクライムドラマ。

マックス・アラン・コリンズのグラフィックノベルを「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督がトム・ハンクスを主演に迎えて映画化したクライムドラマ。公開当時アカデミー作品賞の最有力候補と推す声も上がるほどの重厚で繊細な世界観はこれこそ映画だと思わされるものだった。大恐慌時代のシカゴを舞台にマフィアの世界の掟と親子の絆が描いた今作は主演のトム・ハンクスをはじめとした名優たちによって力強いものになっていた。観ていて飽きない映画というものは息つく間もなくアクションが繰り広げられるものや物語の展開が早くテンポよく観れるものなど様々あるが、この映画は完璧な世界観によって観客が画面に惹き付けられ気付けば終わっているような映画だと思う。どのシーンにも粗いところはなくて監督の技術力や映画に対する心向きが感じられた。この壮大な親子の物語の終わりも私は好きだった。サム・メンデス監督の映画は現実の美しさを描いていると思う。ラストの展開は監督が美しいと思った現実なのだろうと思った。
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