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ヨンガシ 変種増殖のPnoriのレビュー・感想・評価

ヨンガシ 変種増殖(2012年製作の映画)
4.2
感染系パニック映画は好物なので楽しんで観た。

序盤は政府も市民もメディアも無関心だったが毎朝起こる事態に気づき、不安が恐怖、パニックに変わる。

日に日に悪化していく状況。
とんちんかんな対応の行政。
自分は大丈夫だと無関心な市民。
わぁ…どこの国でも皆同じなんだね(笑)

寄生された人達が起こす異常行動や、河川の異様な光景は衝撃的でどんどん引き込まれた。
スピード感は無いものの、徐々に広がっていく過程と原因究明を丁寧に描いているので、とてもリアリティを感じる。

もはやダニや蚊が媒介して人死が出る時代。それが身近な出来事になりつつある今、パニック映画にありがちなご都合主義ながらも、全く架空のお話ではないと思わせる説得力があった。

ただ、イマイチ登場人物に感情移入できず。特に主人公の行動が独りよがりで冷めてしまった。
生死のかかった大切な家族の為なら他人なんてどうでもいいのはわかる。だけど主人公にだけ次々と情報が入ったり、突然慈悲になったり、自分が出来ることに気がつくのが最後だったり、ご都合主義の繋ぎが雑(笑)

家族のエピソードに時間をかけ過ぎてしまったのが、中だるみの原因になってると思う。
ずーっと特効薬を探す主人公の必死過ぎる姿に段々違和感が…。

あと、主人公の弟が超イケメン過ぎる!
お陰でお金にだらし無く、落ちぶれた性格が全く入ってこなかった(笑)
ここは真面目で正義感のある熱血刑事という設定で良かったのではー?

ただ、前半が良かっただけに残念だったのは、後半から終盤になるに連れて駆け足に変わり、最後はハードルを飛び越え予定調和にたどり着き、呆気なく大団円で終わってしまったこと。

色々と詰め込み過ぎたのかな、少しもったいない気もする。

だけどそれらを差し引いても面白かった。アジア映画もハリウッドに負けずに頑張ってる!
物体Xじゃない寄生虫パニック好きにはオススメ(笑)


こういう映画を鑑賞後にいつも思うのが、特効薬が見つかるまでに亡くなった人達は可哀想…でも自分は助かる側になるんだよね、という変な自信(笑)
ゾンビが来ても自分はやられないと思うのと同じだね!(笑)
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