おしも

凶悪のおしものネタバレレビュー・内容・結末

凶悪(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

白石監督作品なのでグロ描写覚悟で見ましたが、
そこまで激しいのはありませんでした。

ただ精神的にキツいシーンが多かったです。
特にキツかったのは3つ目の殺人。
リリーフランキー演じる先生とピエール瀧演じる須藤だけではなく、被害者の実の家族が殺人に加担していたというのがかなり衝撃でした。

被害者は持病もあり、借金もかかえていた。きっと生前もよき父、よき夫ではなかったんだろうと推察できます。家族も死んで仕方ないと自身の行いを正当化していたように感じます。

先生や須藤が犯した殺人が表に出ず、埋もれていたことも確かに恐怖ですが、市井の人であっても正当化できる理由があれば間接的にでも殺人を犯すことができるというのが恐ろしかったです。

ラストシーンで先生が「俺を殺したがってるのは被害者の家族でも、須藤でもない」と言って山田孝之演じる記者を指さします。
記者自身も自らの正義を正当化し、先生へ明確な殺意を持っていたように感じます。
記者はあくまで死刑制度内での死を望んでいるので殺人を犯そうとしているわけではないのですが…。どんな人間も自らを正当化できるような理由があれば、命を奪えるのではないかと考えさせられた映画でした。
おしも

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