へちまびと

ワールド・ウォーZのへちまびとのレビュー・感想・評価

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)
3.4
凶暴な上に速く走れるという、最近のトレンドを押さえたゾンビが大量に出てくる映画。

個人的に、現代の映画で描かれるゾンビは「話の通じないやつら」の暗喩だと思っているので、それぞれの映画が「ゾンビ対策」をどう描くかに興味がある。

この作品では壁を建設して内側に入れない、という防御と、ワクチン接種(!)で感染を防ぎつつ感染者は北斗の拳よろしく汚物は焼却だぁ~とばかりに焼き払う方法論が取られている。
完全なる他者、駆逐すべき対象、という感じだ。

一方、ウィル・スミス主演のゾンビ映画「アイアムレジェンド」では、DVDにボツになった(多分実際にはこちらが表現したかった方という)ラストシーンが特典でついている。

そこでは「主人公はゾンビ化した人を治療する方法を研究していたが、実は感染者は感染者同士でよろしくやっており、治療するのは余計なお世話」という話が描かれている。

このラストが、おそらくは不評で現状のラスト(爆破)に落ち着いた、というところから、北米では「話の通じないやつら」が無意識下でどう捉えられているのかを垣間見ることができる。

いつの間にかアイアムレジェンドの話になっているが、アイアムレジェンド、おすすめです。