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L.A.ギャングストーリーのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

L.A.ギャングストーリー(2012年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

ありきたりなギャングものの劣化版といった感じ。特に目新しいところもなく、何故2010年代にあえてこんな映画を作ったのか謎。

どこまでも普通。敵は型通りのベタなギャングのボスで、主人公にも特に魅力なし。相棒が女たらしでボスの女に手を出すというのもありがち。個性豊かな面々を集めてチームを組むのもありがちだし、一番優しい妻子持ちが犠牲になるのもありがち。不必要なカーチェイスや、自宅プールでの殺害、ラストの肉弾戦など、本当にベタのみで作られた作品。この映画のオリジナリティは一体何なんだ?

その割に、ただベタを組み合わせただけで細かいところに気を配っていないので、脚本も演出も非常に稚拙で退屈。何の捻りもなく、役者の見栄えで誤魔化しているだけ。靴磨きの少年の死でチーム参加を決意する展開は、2010年代の映画としてはさすがに陳腐。作戦は全く頭を使わずに常にいきあたりばったりで、あまりに馬鹿すぎて真面目なテンションで観るのがアホらしくなる。戦いはお互いに激しく銃を撃ち合うばかりでつまらない。オシャレな絵面にしたいという意図を感じるシーンもいくつかあったが、あまりセンスがないし、スローモーションの多用により必要以上に安っぽく見える。全体的にアクションが全く面白くないのは致命的。主役級は家族もヒロインも含め一人も死なないので緊張感は薄い。周りの善人たちは呆気無く死ぬのに。ラストも殴り合いをさせたいという映画的都合が見え見えで、殴り合いをする必然性が薄い。どうしてあの状況で元ボクサーに素手で喧嘩を挑むのか。

何かがものすごく悪いわけではないのに、全く心が動かない残念な作品。むしろ何かがものすごく悪い方が面白くなったかもしれない、とすら思う。
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