さわら

樹海のふたりのさわらのレビュー・感想・評価

樹海のふたり(2013年製作の映画)
2.5
人生とは樹海のように、迷わしい。騙し騙され、怒り怒られ、まこと生きにくい世の中である。病気が発症し、ときにそれが契機となって新たな才能に目覚めることもある。インパルスが演じる竹内・阿部も例外ではない。コントの名手であるインパルスを知っている私としては、明らかにお笑いのときより生き生きしていないのが残念である(仕方ないことではあるが)。また作品中にたびたび出てくるギャグめいたものが、見事にすべり痛々しい。そこは見るに耐えない。そんな約2時間の映画を見させたのは、烏丸せつ子の存在感による。特に堤下演じる阿部の乳首や腹を舐めまわす女優魂には脱帽である。見事だ。それにしても、作品の浅さを感じてしまうのは何であろう。インパルス・堤下なら、愛やら友情やらを声高に熱く叫ぶような、感情をもっと吐露させた役の方が似合っている。あまりにも静かすぎた。