冒頭の扇風機が回る和室の中での真夏のセックスシーンは、TATOO 刺青ありの宇崎竜童と高橋惠子のセックスシーンを想起させる。
過去の事件だけでみると加害者と被害者という2人だけど、その事件から2人とも一般社会から放り出されてしまうという意味では共通の悲劇を記憶する存在として代替不可能な対称性を持ち始める。
一般社会で言うところの「幸せ」という物差しで測れない2人の関係性に対してある種の羨望とも言える感情を持ち始める大森南朋。
それはこの記者が妻から入れ替え可能な存在として扱われているからに他ならない。