さわら

フィギュアなあなたのさわらのレビュー・感想・評価

フィギュアなあなた(2013年製作の映画)
3.5
僕の見ている「色」と石井監督の見ている「色」、2つは似ていて全く非なるものなのだろう。闇の黒であったり、マネキン置き場の赤いネオンであったり、廃墟の青だったり、馬券の散らばる白だったり…、この映画を彩る全ての色に、単なる色ではない、美しい魅惑があった。また、色彩だけでない。冒頭から、この映画における現実と虚構の境目は曖昧なものとなる。だからこそ、この映画には一種の気味悪さがつきまとい、同時に居心地の悪さを感じた。(特にラストシーン)せめてもの救いは佐々木心音の美しい肢体であろうか。しかし、あまりにもずっと裸で、チラリと感じる美しさや緊張感が無く、次第に見飽きてきてしまったのが残念ではある。全体的に、評価に苦慮する不思議な魅力をもった作品であった。