きんこん吉田

終戦のエンペラーのきんこん吉田のネタバレレビュー・内容・結末

終戦のエンペラー(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2013/8/3日記から転記




気になっていた「終戦のエンペラー」

8月1日映画の日に、千葉県蘇我というまちで、観てきました。




とにかく「風立ちぬ」の失敗を払拭したくて(笑)

スクリーンで何か観て、口直しがしたかったのさ。


でも「風立ちぬ」って賛否両論のよーですが、

良いというヒトは、どのあたりが良かったか、教えてもらいたい。

なんせ、僕はココロが錆びているよーなので(爆)





さぁ、「終戦のエンペラー」




結論。


めちゃ良かった。泣いた泣いた。



傑作、とか、感動、とか

いわゆる映画の醍醐味にあふれた作品では、ないのよ。


「体験」っていう感じです。

この平和な毎日を享受しているのに、

感謝心が不足している、無気力ニッポン人は、必見だね。


国の違いとか文化の違いって、普段の会話でも話題に上りますが

白か黒か、2色で物を判断していくアメリカ。

対して、グレー、あいまい、灰色な日本。



グレーな「神」について

この触れられぬ最高機密な「天皇制」を理解していく、という

恐ろしいストーリーなのですよ・・・・。


いやいや、ほんとゾクゾクするわ(笑)


終戦直後、マッカーサーと昭和天皇のあいだに

どんなドラマがあったのか。


僕は、一般常識の範囲ですが、マッカーサーが驚嘆した、という事実は

ある程度、知っていたのですが


この映画は

この「歴史的な会談」をエンディングに据えることで

ラストに向かって異様な高揚感が・・・・


とくに有るわけでもなく(笑)


ラストに向かい

「圧倒的な淡々とした表現」で

さらりと「体験」させてくれる。



大仰な音楽もない。

無理やりな盛り上げもない。



ただ、二人の男が心を交わす、その瞬間を

「淡く、じわりと」描いたことで


余計に感情移入したんですよ、僕は・・・。



滂沱の涙を流してしまいました。


大正~昭和前半の生まれの人は、この映画はタマランと思います。


日本は戦争に負けました。

敗戦国でありながら、なぜ、平和で豊かになったのか。


その「理由」は、さまざまあると思います。

でも、そのマインドを支えた「背骨」のような出来事が

あったんですよ!


若い人、とくに観てほしいなぁ。


プロデューサーが日本人なのが良かったのか、バランスが良い合作ですよ。

マッカーサーをヒーローとして描かず、

泥臭いオッサンとしての面を表しているのに、とても驚いた。

アメリカは日本人が、わからなかった。


その「わからない」ということが、最終的にわかる(!)までの物語を

淡々と描いている。


そんな難しいメンタルな話を、

一本の映画にしてしまったワザに

僕は驚嘆してしまったのです。