原作既読
原作も面白かったけど映画も面白かった。
青春映画っていう位置付けだと思うんだけど、主人公の成長物語として確かに面白い。子供が大人になるまでのモラトリアムというか、その揺れ動く内面みたいな部分を物凄く繊細に描いている。
大人になりたい気持ちと子供のままでいたい気持ち。純粋さと狡猾さ。生きることと死ぬこと。それとモラトリアムはいつか終わるって部分。
原作と映画では異なる部分がいくつかあるんだけど、そこが監督の言いたい部分だった気がするので、結局原作を読んでないとあんまり理解出来ない映画なんだと思う。
抗いようのない不条理や理不尽を受け入れて生きていくのが原作。それに対して、映画は個人の意志や選択に重きを置いていた印象。
監督の遺作ということで、深いメッセージが込められた良い映画だった。