カタパルトスープレックス

ある会社員のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

ある会社員(2012年製作の映画)
3.3
イム・サンユン監督のクライムアクション映画です。表の顔は貿易商社。でも、裏の顔である営業二課は暗殺集団。そう、阪元裕吾監督『ある用務員』(2021年)のインスパイア元です。

テーマは「仕事中心の現代社会への批判」ということでしょうか。『ある用務員』がアクションに重きをおいたのと比べ、本作はドラマに重きをおいています。もちろん、アクションもすごいですけどね。主人公である暗殺集団のエリートは、ある仕事でバイトを助ける「ミス」をして、そこから色々と歯車が狂い始めるという話です。会社にずっと忠誠を尽くしてきたヒョンドでしたが、守るものができたことで会社と家族を天秤にかけなければいけなくなるのですが……

まあ、面白くはあるのですが、平均以上は取れる優等生な感じで、突き抜けたものがない。せっかくの題材なのにコンパクトにまとまってしまってる。阪元裕吾監督もそう感じたのか、感じなかったのかわかりませんが、アクション方面で突き抜けた『ある用務員』の方がエッジは立っていた。