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ヘンダーソン夫人の贈り物のmhのレビュー・感想・評価

ヘンダーソン夫人の贈り物(2005年製作の映画)
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WW2直前の不穏な時代にヌードショーをはじめるロンドン・ウィンドミル劇場が題材。
ヌードショーの元祖はフランスのムーラン・ルージュという認識で間違いないみたい。あくまでこれはイギリスのお話。
ムーランルージュとウィンドミルが同じ意味(風車)なのはたまたまらしい。(ウィンドミル劇場はウィンドミルストリート→かつて風車があったとのこと)
面白いのは、日本のヌードショーとの類似点。
昭和22年(1947)東京新宿帝都座ではじまった「名画アルバム」が俗にいう「額縁ショー」でこれが日本のヌードショーやストリップの始まりとされてて、それをいままで信じこんでたんだけど、これとまったく同じことが、十年前のイギリスで行われていたのだった。
モデルが動いちゃいけないのもそっくりそのまままったく一緒。「額縁ショー」でググると、この映画でやってたことが一ミリも書いてないのは地味に罠だと思う。「額縁ショー」の発案者である秦豊吉が戦後のなにもないところからアイデアひとつで成功したわけじゃなかったのだった。
閑話休題。
空襲下でも公演を続けたくだりは、シミキンを彷彿とさせる。
いや、これも脱線だった。
BBCが出資した映画の当たり率は高いので安心してみてられたけど、同時にワインスタイン・カンパニーも絡んでることがあとからわかって背筋が凍る。
日本だけじゃなく、世界においても興行界には有象無象がうごめいていて、それだけは昔もいまも変わらないということなんだろうね。
この映画では光の部分しか描いてないのが、素晴らしいところでもあり、また罪深いところなのだった。
割礼してるからユダヤ人ネタをさらっとぶっこんでたけど、これはなにかで一回触れてないとわからんと思う。ただ一回分かればもう大丈夫。
ウブなふりしたイケメンのくだりもよかったね。
戦地から送られてきた手紙に「こっちで恋人ができた」とあって、ヒロンが逃げ出すことになるんだけど、それ普通に考えたらウソなんだけどな。
面白かった。
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