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容疑者X 天才数学者のアリバイのanguishのレビュー・感想・評価

2.1
「容疑者Xの献身(2008)」のリメイク

「残念だ…この素晴らしい脚本を…こんな解釈の映画になるなんて…」

◎パーフェクトナンバーってなんやw アホ刑事では荷が重過ぎる、第三者視点が如何に重要かがよくわかる。ガリレオの存在を無いものにしているにも関わらず憖、尺が同じなために妙な空白が生まれストーリーのリズムを著しく悪くして、風情が消し飛んでいる。この映画はトリックを楽しむだけじゃなく会話や距離感を楽しむ所にあると思っています。

駄目な所はヒロインと同居している女の子の関係性が何故か姪になっている。ヒロインのネタバレに担当の刑事が片手間に話し出すんです。そして一番大事なこの映画の肝となる取調室で湯川学と石神哲哉のネタバラシは丸々カット…私はこのシーンだけ何回か見直したことがあるくらい好きなシーンなんですけどね。このリメイクが存在しているとオリジナルも汚されたようでとても嫌。

オリジナルで語りたかったけど、この映画のテーマこそ究極の自己犠牲(サクリファイス)だと思うんです。ソクゴ(リュ・スンボム)は私の中では恋や愛ではなくそれを越えた何かと思う、生きる事に何も見出せない時にファソン(イ・ヨウォン)と姪の二人がソクゴに光を与えたんじゃないか、今まで胸の中に無かったかけがえの無いものを、自分が世界の一部になった実感を。彼は彼女たちの為に「見返りに求めない」生きながら自らの罪と共に償っていく。

因みにリメイクのヒロインは逃げれそうな終わり方だったりします。

20220704-22(168)
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