銀幕短評(#371)
「ティモシーの小さな奇跡」
2012年、アメリカ。1時間 40分。
総合評価 51点。
精神的に未熟な夫婦が、突然おとずれたティモシーとの生活をつうじて、すこし成長するはなし。
親がじぶんの子に対して なにかを期待することは、基本的に不健全である。とくにじぶんの得意分野について同様に秀でること、さらには自分がかなえることのできなかった夢を達成すること。そのように過分な期待を子にいだくことは、まことに愚かしい。それは子本人のためではなく、じぶんの満足を得んがための目的であることが多いから。じぶんの夢を子に反射することを 愛情とはいわない。
子に対しては ひととして対等に接したい。あやまったことは改めさせ、道を踏みはずしそうなときは耳打ちする。ここまでは許せる。ひとは ひとに施されたもの以上を人にほどこすことは むずかしい。へんな先入観をあたえずに、思考と嗜好のバイアスを及ぼさずに、一個の人格として接したい。無用のストレスやプレッシャーを子に与える権利を 親はもたない。ひとから人に施すために。
全体として凡庸な ものがたり運びでしたが、無難を尊ぶディズニーならば まあこんなものでしょう。子役ふたりの魅力が少しでも減じれば、即マイナス20点ですね。