爆裂BOX

ビジターの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ビジター(2012年製作の映画)
3.4
幼い息子を事故で亡くし傷心の作家のジョナサンとアディー夫婦。ある夜、彼らの家に「ガスマスクの男に追われている」と怯える少女レイチェルが現れる…というストーリー。
「HEROES/ヒーローズ」のマイロ・ヴィンティミリアやサラ・パクストンらが出演しているスリラー映画です。
家に侵入してきたガスマスクの男達にレイチェルは連れ去られ、二人も男達に追いかけられることに。更に電話は繋がっても声が聞こえず、金庫にあるはずの銃がなくなり車が急に動かなくなるなど不可解な現象も起き始めるという内容です。
序盤は突然現れた少女の存在によって微妙な位置にあった夫婦間に疑心暗鬼の気持ちが芽生えていくサイコサスペンス的展開です。そしてガスマスクをつけた人物達が本格的に出現してからは彼らを退けて何とか脱出しようとする立てこもりサスペンスになっていきます。
全体的に派手なアクションシーンやスプラッターシーン等はありません。ガスマスク男達も積極的に襲って来る訳ではないですからね。ただ、背後の窓の外から覗いてるシーンは不気味でした。
登場人物の背後にドアを映したカット等はそれだけで不穏な空気が生まれてていいですね
奥さん役が「パーソーン・オブ・インタレスト」や「ザ・ルーキー」で強い女のイメージ強いサラ・シャヒですが、恐怖に怯える妻役は中々新鮮でした。サラ・パクストンはちょっとだけ下着姿やシャワーシーン披露します。
後半になって真相が明らかになりますが、まあ最近よくあるオチではあります。ただ、このオチによってそれまでのガスマスクを通して見た映像や繋がらない電話等の伏線が上手く回収されているのは見事です。冒頭のシーン等によって気付く人は気づくでしょうね。僕は巡回しているブログの感想でネタバレ喰らってしまいました(笑)Amazonの紹介文で「「〇ザ〇〇」を彷彿させる衝撃のラスト」って書いてる時点で酷いネタバレでもあります(笑)
仮面をつけた人物達によってカップルが襲撃されるという展開は「ストレンジャーズ」を彷彿させます。「正体不明 ゼム」も彷彿させますね。なもんで絶対バッドエンドだろうと思ってたら切ない余韻を残すしんみりしたエンディングで意外でした。最後のサラ・パクストンのほんのりと笑顔浮かべた表情が切なさと温かさを感じさせてくれて良かったです。
派手なシーンもない地味な作品ですが、キャスト陣の演技もちゃんとしてますし、演出も手堅く脚本もしっかりしていて楽しめました。