クリーム

スノータウンのクリームのレビュー・感想・評価

スノータウン(2011年製作の映画)
4.0
実話を元にした作品で、底辺の生活を覗いた感じです。胸糞度、グロさかなり高目です。何で評価低めなんだろ?私は、リアリティがあって悪くないと思います。救いの無い映画である事は否めませんが…。
1995年から99年にオーストラリアで起きた男女12人猟奇殺人事件を描いた作品で、退廃的な街の底辺の生活者が入り浸る一軒家で、薬中、アル中、同性愛者が集う最悪の環境下、兄から暴力(レイプ) を受ける等、荒んだ生活の中で16歳のジェイミーが唯一心を寄せた男は連続殺人犯だったというお話。




ネタバレ↓




まず ジャケが怖い。ジェイミーの 後ろで微笑む男が殺人犯のジョンです。忍び寄ってる感じでジャケのセンス凄い。
とにかく酷い環境で、まず母は男にだらしなく働いてる様子もない。で、ジェイミーと弟2人は母の彼氏に預けられた時に下着姿の写真を撮られレイプされたと思われます(このシーンは想像でレイプされたんだなと思わせる)。所々、全て映さず想像させるのですが、グロいシーンはちゃんと映してたりします。母エリザベスは、警察に通報 するも翌朝には保釈。ところがその隣人の家に嫌がらせをする男ジョンが登場。身持ちの緩い母は、すぐ乗り替えます。コイツが犯罪者には何をしても良いと言う考えで、ソフトクリームを使った嫌がらせを子供達にも手伝わせ、カンガルーの死体をバラバラにして、ぐちゃぐちゃにしたものをポーチに投げつける。このカンガルーの解体も中々エグかったです。これもジェイミーに手伝わせてました。ジョンは家族の中に上手く入り込みジェイミーも次第に尊敬に近い感情を持ち始めます。しかしジョンは、冷酷で残忍な人間で、ジェイミーが気付いた時には、すでに逃げ場はなくて、残虐な殺人を延々と見せられ、手伝わされ続け、じわじわと洗脳され取り返しのつかない様子は、胸が痛くなります。
ジョンは、ジェイミーに犬を射殺させたり、薬中だけどジェイミーには優しい隣人で友達の男を殺したりヤりたい放題です。
最悪だったのは、兄を殺すシーン。ぼこぼこに殴った後手錠でバスルームに繋ぎ、生爪を剥いで、首を何度も締めては、緩め苦痛を与え、その姿をジェイミーに見せます。耐えられなくなったジェイミーが兄の首を締めて殺します。
ここからは、もうどうにもなりません。ジェイミーは、どうすれば良かったのだろうか?あんな環境で育って、16歳の少年がジョンから逃れる方法があったのか?母や弟たちもいるし、警察も相手にしないだろうし…。結局、幇助罪だなんて、少し気の毒になってしまいます。
また、本当の事件はもっと残虐で被害者が子供や障がい者を含めた貧困層で、拷問(映画より酷いです)したうえで殺害し、その一部をドラム缶に集めていたということです。映画だけで随分、残虐なのに本当はもっと酷いなんて驚きです。
世の中には、まだまだ知らない恐ろしい事件が存在するのだと痛感しました。インパクト大な作品でした。
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