あんときの井上

ハウスメイドのあんときの井上のレビュー・感想・評価

ハウスメイド(2010年製作の映画)
3.7
良作。

縦横無尽のカメラワークが冴え渡る映画。

【下女が上様になる話】
カメラが上下または奥行き等のアングルで下女のウニをなめたりあおったりするなか、主人の娘のナミだけがフラットなアングルでウニに接していた。
だがゆえに、右上を見るナミのラストシーンが何とも印象的な余韻を残す。まるで復讐の焔に文字通り燃えて亡くなったウニがナミには見えているかのように。それはまるでナミにとってウニが神(上)様となったかのようで。

【ウニの死の暗示】
1.冒頭の某女性の自殺
2.ビルの屋上で真下を見下ろしている
3.電車の飛び込み自殺を予感させるショット
4.墓参りで亡くなったと錯覚させるショット
5.シャンデリアからの落下
6.浴槽で水死したと錯覚させるショット

【ベテラン下女ビョンシクの考察】
息子の立身出世のため主人の元で働いていた。その息子は主人の子供の可能性も考えられる。ウニを見上げるシーンが多いことからも、ウニを心配していた心情が窺える。
あんときの井上

あんときの井上