恋愛に限らず人間関係において人を想い続けるってそう簡単じゃない。相手を許した後にも心のダメージは残存する。共有した時間や経験が何とかして関係を良好にさせようと踏みとどまらせるが、結局のところ相手といて心が消耗していくなら、いっそうのこと互いのためにと思い返し距離を置くことになる。いくら許せても疲れは残ってしまうのだ。それは我慢してることと同じ。その疲れの強さと重さから生活の調子を崩し始め、多忙な毎日のなか人はそのボトルネックな問題を意識したくなくなる。そしてやがては関係そのものがいつの間にか希薄化していく。これが冷めた関係だろうか。
それに対して本当に大切な関係には常に思いやりや誠実さ、相手への興味や相手に何かを伝えたいというフレッシュな気持ちが含まれているように思う。
この映画はいい出会いを求める人にとって心に響く作品だと私は感じた。傷つくことを恐れながら、それでも弱々しく時に大胆に関係を求めてしまうたどたどしい姿に強い共感を抱いた。過激なタイトルとは裏腹にユーモアのある真面目な恋愛映画である。
