のすけ

狂武蔵ののすけのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
1.8
酷い。これは酷いの一言。
命懸けて撮ったとのことで期待してしまったが、あまりにもお粗末。
まず、死んだ人間生き返るのやめてほしい。頭切られた次の瞬間また登場して頭切られて…何十回死んでんねん…気付かないと思ったのだろうか。そのへんからして映画を舐めてると言いたくなる。
だって金払って期待して観る人達に最低限そういった手抜きは見せるべきではないと思う。それができないなら無理なワンカットシーンなんて撮るべきじゃない。商業目的にしか感じない。
今時の髪型で色も染めてる大学生みたいな現代人風の侍とかもありえない。
皆侍の動きじゃないし、練習もほとんどしてないのでは?と感じてしまう素人演技。
生きるか死ぬかの緊迫感も全く伝わってこない。流れ作業。
丁度よいところに給水所があるのもおかしいし、急に雨が降ってくるのはご愛嬌としても、まわり乾いてるし…すぐ止むのもご愛嬌としても、主人公以外 皆濡れてないし。根本的に駄目すぎる。
切られ方もかなり昔の時代劇風で切られに走っていく行く感じ。走って向かっていく先に武蔵がいなかったり、切られてから刀構えてたり。
あと、このへんはお約束なんだろうけど、すぐ後ろに何人もいるんだから切れるのに切らないとか、誰か一人が刀を槍のようにして投げれば一発なのに誰も投げないとか…。まあそこまで突っ込みたくはないが、先に書いた部分は致命的。

とにかく侍の戦いを77分間ワンカットは無理があるんだと思った。それをやって、最終的に妥協したのかこれで最高だと思ってるのか分からないが、ジャケ等に宣伝文句であそこまで書かれると、さすがに騙された感が半端ない。
ワンカットシーンがある映画は個人的に大好きだが、なんでワンカットが人を惹き付けるかって、それは圧倒的なリアリティだと思う。その場にいるような臨場感。この作品は、それを忘れたワンカット目的のワンカット映画にしか感じなかった。
「カメラを止めるな」あたりからそのへんが本質的にずれてしまってきている気がする…

ただ、最初の子供が蝶を見上げて上から武蔵が降ってくるシーンは格好よかった。