のんchan

ファクトリー・ウーマンののんchanのレビュー・感想・評価

ファクトリー・ウーマン(2010年製作の映画)
4.2
イギリス🇬🇧の労働者階級のドラマは大好き💕
また好きな作品に出会えて幸せ😆

ジャケ写はファッション物?のように感じるかもですが、今作は1968年にフォード社で起きた、男女同一賃金制を訴え、無期限ストを決行し闘った女性工員たちの実話の映画化です❗️


イギリス東部の町ダグナムにあるフォード自動車の巨大工場。
そこには約5000人の男性工員と187人の女性工員が働いている中、女性ミシン工員は雨漏りのする狭くて蒸し暑い場所に追いやられ、車のシートになる部分を縫製していた。
高度な技術が必要とされるのに、女性は非熟練工とされ、賃金は男性の半分以下だった。

女性の権利を勝ち取るために活動するべく、労働組合員の主任(ボブ・ホスキンス)がリーダーに選んだのは、女性たちから頼られ纏める力があるリタ(サリー・ホーキンス)だった。
リタは同じ工場に勤める優しい夫(ダニエル・メイズ)と2人の子供がいて団地住まい。息子の体罰を面と向かって先生へ抗議に行く勇気を持っている。
学歴はないが正しいことを貫く姿勢は、息子と同級生の子供を持つ工場長の妻リサ(ロザムンド・パイク)から一目置かれていた。リサは学歴を誇れるほどに優秀なのに専業主婦になり、学歴など何も関係がなく暮らしていたから。

経営者側は全く取り合わなかった。もし受け入れるものなら世界中にあるフォード社の女性賃金を総上げせねばならないから。
しかし、その活動は新聞やTVで取り上げられ、リタは時の人となり、周りの空気をどんどん変えていくことになる。
とうとうイギリスの女性厚生大臣の目に留まり、リタたちと直接会談の場を設けるまでに...


女性の団結力が法をも変えた実話は労働者にパワーを与えます。
実際の写真や昔を懐かしむインタビューもラストに入ります。

サリー・ホーキンスは正に適役、素晴らしい演技でした。普通の感じ、少し気弱にさえ見えるのが良いのです。そこから立ち上がる強さ、夫婦関係がギスギスするけど理解してくれる夫。

60年代ファッショやインテリアが活きています。
若い工員はマリー・クァントのホットパンツを履いていたり、リタ赤い洋服は、実はリサが貸してくれた流行の先端もの。

女性の権利のために闘った強く逞しい人たちがいたからこそ世の中が変わった例です。
その陰には、ボブ・ホスキンス演じる主任の存在があったからこそ。自分の母親を見て大変さを理解していた人で女性の偉大さを知ってたから。

Mark数も少なく残念。こういう作品こそ観るに値する。
社会派の実話、女性の団結力、後味も良いのでお勧めです🌟
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