いやー面白かった。
インド映画はほとんど見た事なかったんだけど、これはずっと観ようと思ってたんですよね。在宅勤務になって漸く観ることが出来ました。
インド産青春コメディと言ったところなんですが、ただの青春物とは言いたくありません！何しろたった1日の出来事なのに巧みなカットバックで登場人物達の子供時代から大学時代までの傑作なエピソードを積み重ね、彼らの成長、友情、恋愛、更にはインド社会の強烈な経済格差、学歴偏重主義、経済偏重社会の矛盾を痛烈に笑い飛ばしているんです。
結構ベタなネタの積み重ねとは言えるんですが、かなり脚本が良くしらけさせる事なく3時間弱を一気に観せてくれます！
登場人物のキャラクターもいいんです､それぞれが家庭の問題を抱えているんですがそれがそのままインドの社会を象徴しているんです。途中、主人公が大富豪の子息らしい事が語られるんですがなんだか謎を孕んでるんです。この謎を追う旅で回想シーンを挟みながら徐々に明されていく展開は有りがちなパターンとはいえ、観客は心地よくこの展開に翻弄させられていく訳です。見事な脚本と演出ですよね。
本当におもしろかったな！
なんかインド社会って凄いですよね、貧困層から中間層、富裕層までがごちゃ混ぜになって共存しながら、それぞれのクラスがみんな上を目指し激しい競争を繰り広げている様です。かつての日本、今の韓国なんかもそうなんですかね。実力主義は大いに結構なんですが競争は公平に行われなければならない筈です。英語の試験を巡って文科大臣の「身の丈に合わせて頑張って下さい。」という発言。日本もインド程とは言わないけど格差の固定を容認している政権が長く政治を司っているという事なんですね。公平ではない偽の競争で格差が固定されていく日本の社会、しかもその格差は広がる一方。そろそろ私たち大人がこんな社会を変えていく必要があるんじゃないかな。なんちゃって・・・。
