クリーム

アンチヴァイラルのクリームのレビュー・感想・評価

アンチヴァイラル(2012年製作の映画)
4.0
ブランドン·クローネンバーグ素晴らしい遺伝子を引き継いだ監督ですね。ありがとうございます。しっかり不思議な世界観やグロさ、キモい創造物等々、今後が楽しみです。内容は、近未来セレブ崇拝が過激化してセレブが、かかった病気のウイルスを注射することで、セレブの生活を「疑似体験する」と言う『?』な話(理解なんて出来ませんが…)。主人公のシドは、セレブのウイルスを販売するのだが、裏で自分の体内で培養したセレブウイルスを売ったり、自らもそのウイルスの虜になり、やがてウイルスをめぐる巨大な陰謀に巻き込まれていく。さすが、デヴィッド・クローネンバーグ監督のご長男。ラストも最高、好みの作品でした。



ネタバレ↓




シド達が横流しする「セレブの細胞」を培養した食用肉、これが気持ち悪くて絶対食べなくない。が、ビジュアルが何ともステキでした。
シドは、ライバル会社から散々な目にあって、可哀想だなぁと思って観ていたのだけど、結局ライバル社と手を組んでハンナを肉培養装置みたいな物に作り上げます。で、ラストその装置と化したハンナの“腕らしき部分”をシドがメスで切り、その血を愛おしそうに舐める。シドの一番の願望はハンナの独占であり、この結末は彼にとってはハッピーエンド。
「自分にウィルスを感染させる」というリスキーな運び屋をやっていたのも趣味の延長線上でシドは、可哀想ではなく、幸せなの。凄い世界観。参りました。降参です。
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