パン

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命のパンのレビュー・感想・評価

4.9
3部構成で各主人公の異なる視点から描かれる上質なヒューマンドラマ。
パート1では家族のために銀行強盗をする危険な男をライアンゴズリングが演じてる。
彼の愛車はホンダのXR650Rだ。
マニアも認めるような名車に跨っている。
サーカスでバイクを使いグルグルと回ったりバタフライナイフを回したりなんかちょっと中二っぽいデザインのシャツやタトゥーを身につけてるどう見てもカタギではない男だ。

それでも最初は合法的な仕事で働いていた。
そんな彼が自分の子供が出来たと知って金のために犯罪に手を染める…
とにかくこの映画は最初のこのパートが素晴らしい。
皆で写真撮る時にバイクのことも「家族なんだ」って言うのバイク愛に溢れてて良いねw
正直バイク好きには全員観て欲しい映画。
偶然松林で知り合ったベン・メンデルソーン演じるロビンという男に銀行強盗に誘われるのだがこの男も良い味だしてる。
この人がいるかいないかでかなりこの映画の印象は変わるだろう。

そしてパート2ではブラッドリークーパー演じる警察官役。
基本的には真面目な男なのだが、どうやら彼と同じ警察署の皆さんはかなり腐敗してるようだ。
ボーナスと称してガサ入れして違法に私腹を肥やしたりとかね。

ブラッドリークーパー自身も自分の立場を守るために嘘の証言してたりするにはするが…まあ彼は結構人間らしいのでなんか憎めないし嫌いになれない感じの人だった。最後の最後で不正を告発してたし。
でもパート3で出世してからちょっと嫌な奴と化してたね。

そしてパート3では15年の月日が流れデイン・デハーン演じる息子役だ。
このパートも中々に面白い。
パート2の主人公の息子と友達になっちゃうデインデハーン。
エモリー・コーエン演じるこの友人役も中々良いキャラしてんだよなあwどこか嫌いになれないわ。
この人俺の中学時代の友人に顔そっくりなんよな。

ラストで「バイクの乗り方知ってんのか?」と聞かれデインデハーンが何も言わずに乗って帰るとこめっちゃ良い。
そりゃプロライダーの息子だもんねw

かなり雑な説明になったが実際にこの映画を自分の目で観て欲しい。
名作中の名作だ。
監督もそれほど有名じゃないし物凄くお金のかかった作りの映画ではないのだが、自分が本格的な映画好きになるきっかけを作ってくれた作品。

何気にバイクで疾走するシーンがどれも迫力満点な点も褒めたい。
林道アタックしてるシーンも警察から逃げてるシーンも疾走感が素晴らしい。
そしてこのタイトルのプレイス・ビヨンド・ザ・パインズ(松林の向こう側)がセンスある。ちょっと長くて覚えにくいけどね。
この頃のハリウッドはまだ面白かった。
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