全然期待してなかったけど良作。
手に汗握る犯罪ロードムービー。
映画はいきなり銀行強盗から始まる。
これ"名もなき塀の中の王"と同じデヴィッド・マッケンジー監督なのね。
こっちのほうが好みな作品かも。
短気で粗暴な兄貴と心配症の弟による強盗コンビ。
どこかコーエン兄弟の映画に雰囲気が似てる気がした。
ノーカントリーとかね。
序盤の銀行で出てくる爺さんカッコいいw
スマホとかあまりハイテクな物出てこないし、内容的にもまるで70年代あたりのアメリカンニューシネマのようだった。
ただ作中ではハッキリと「2012年から~」と会話で出てくるし時代設定としては古き良きアメリカが残る現代が舞台ってことなのだろう。
他にも車とか銃で大体わかることだけど。
日本もド田舎の町へ行くと昭和のまま時が止まってるもんなあ。
本作は失われたアメリカだけじゃなく、失われたハリウッド映画に対する遺書のような作品だった。
だからなのか知らんがポリコレにも屈してない。
70年代の強盗映画は狼たちの午後みたいに強盗側をまるでヒーローのように庶民が応援してたけど、この作品は町中の人々が団結して集中砲火を浴びせてくる。
これはやはりアメリカという国が明確に変わってしまったことの現れでもあり、非情な現実を兄弟たちに突き付けているような描写にも見えたな。
久々に映画を観てて心打たれた。
どこの国も変わっていくね。今も昔もこれからも。