雷電

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命の雷電のレビュー・感想・評価

3.9
この作品のライアン・ゴズリングはとてもかっこいいというのを以前に伺ってからずっと見たいと思っていた作品。
一度サブスクから消えたことで観賞の機会を逃していたが、再びサブスクに復活したため観賞。

犯罪を描くクライム作品にしては長尺で、それぞれのキャラクターの苦悩までしっかり描いている様子。因果が一世代で終わることなく、以降にも繋がっている点もこの手の他の作品とは異なった作りとなっている。
詰まるところルークの行っていることというのは自業自得ではあるものの、それを取り締まる側とはいえ刑務を真っ当した警察もまた人間であり、自分が発砲した相手が子持ちの親と知れば罪悪感も出る。仕方ないことではあるけれど、やはり悪と善の顔のそのどちらも持っているだけに複雑な感情になってしまう。
個人的には出産をした彼女の新しいボーイフレンドであるマハーシャラ・アリ(劇中のキャラ名は忘れました)が一番気の毒に思う。めちゃくちゃ筋の通ったことを言ってるのに激昂されてあんな仕打ちに合うのがあまりに可哀想である。

できればその子同士の確執を最後まで描いて欲しい気持ちはあったが、ジェイソンが自立して、本当の父親が好きだったバイクに乗って出発するのは素敵なラストだったと思う。複雑な家庭環境で過ごしてきただろうに、とても優しい人間になっていたから(恐らく義父のおかげ)、これから本当に幸せになってほしいなと切に思った。

P.S
久しぶりにバイクに乗りたくなってしまった。
雷電

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