アメリカのファストフード店を舞台にしたワンシチュエーション・スリラー。
警察官を名乗る男性からの１本の電話。内容は、若い女性店員が客の財布を盗んだので、身体検査をするよう指示するものだった——。
不審な電話にもかかわらず、なぜ店長は女性店員の服を脱がせ、全裸にして検査を行ったのか——。
冷静に考えれば、不審に思う場面がちらほら。
しかし、本作が実話ベースというから驚き。30の州で70件以上の犯行が確認された「ストリップサーチいたずら電話詐欺」が題材。中には、マクドナルドなどの大手チェーンも被害に遭ったとのこと。
繁盛する店の忙しさ、本部長（上司）の肩書、警察の威厳……推測するに、こうした要素が店長の冷静な判断を失わせたのだろう。
また、被害者となった若き女性店員も、「勾留」という言葉をちらつかされ、精神的にも体力的にも摩耗して、偽の公権力に屈し、従順になっていく。
被害者の女性を演じたドリーマ・ウォーカーが美しい。目鼻立ちがくっきりしていて、アニャ・テイラー＝ジョイを連想させる。
弱い立場の人間の足もとを見た、度を超したイタズラは犯罪であり、観ていて気分は悪い。
が、店舗のバックヤードを舞台としたワンシチュエーションながら、決して飽きる内容ではなかった。
興味ある方はぜひ。
