Aya

サンタクロースになった少年のAyaのレビュー・感想・評価

5.0
子どもではなく大人向けのサンタストーリー。大人になってからこそ観るから理解できるし慮ることができるような複雑な事情。。。

サンタに思い入れのある私にとっては、ずっと抱えていた"サンタさん"の謎を紐解くようで、とても素敵で大好きな物語です。ずっと前にたまたま観てからというもの、あんなに節々で泣かされまくった映画は過去になかったかもしれない。少量の涙が常に流れ続けているような(笑) それほど、作中には常にじわじわとくるものがありました。風景、佇まい、人物たちの生きざま…。フィンランド映画という本場ならではの素晴らしい情景となんとも言えず雪と寒さに慣れ親しんだあの感じ、雪国だから作れたんじゃないかなと感じた。新しい解釈と画面に広がる物悲しさはファンタジーなのに繊細で妙にリアル。それでも登場人物たちには、決して大きくはない幸せと希望を噛み締めて生きる力強さが見える。

一番忘れられないのは、「失うことも、愛なんだよ」という台詞。
衝撃的で、同時に何か人生の大きな疑問符に納得がいったかのような感覚がありました。気持ちが楽になったような。生きていく上で幾度となく襲われるであろう「失う」という恐怖を、受け入れられるようになる、勇気づけてくれる一言だと思いました。失うことに対して人一倍怖がりな私には本当に衝撃的な言葉になった。一生忘れない。
Aya

Aya