垂直落下式サミング

お姉チャンバラ THE MOVIEの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

お姉チャンバラ THE MOVIE(2008年製作の映画)
2.4
ビキニの上にマントを羽織ったカウボーイハットの女剣士、革ジャンを着こなすショットガン使いの女ガンマン、セーラー服に日本刀を携えた少女、武装したお姉ちゃんたちがゾンビの発生した世界で殺し合うアクションゲームの実写化。
それなりにゾンビ役の人を集めて、それぞれに衣装を着せて、かなり手の込んだ特殊メイクをしている点は、ジャンル映画として真面目に作られていると思う。廃墟のような場所で群となって襲ってくる様子はさすがの迫力だ。
だけれど、女の子がゾンビたちをぶった切る血しぶきも人体切断も、ほとんどがCG合成で後から足したものなので、服や肌に返り血を浴びることもないし、切り落とされたゾンビの腕とかも見せてくれないため、実際にブツをみせるからこそ生じる物体的な重みは残念ながら本作には望めない。
まずもって、この原作ゲームの持っている良さ、お姉チャンバラの良さとは何なのかと言ったら、自機が全部女性キャラで主要人物に男性が出てこないことでしょう。脇くんや諏訪太朗なんか出してる場合じゃないんだよ。脇くんは『北斗の拳』で言うところのバット的なアレなんだろうが、正直クソいらねえ役だ。脇くんなんか敵でいい。
レズものなのに途中で男優が出てきて3PになるAVって超冷めるじゃないですか。彼女たちのあいだで育まれていたものは、その間に他人が介在しても成立する程度の感情だったのかよと、その瞬間、今まで見せられた登場人物のあれこれや情事のすべてがどうでもよくなっちゃうんですよね。お姉チャンバラなんだから、女の子のバディがキャピキャピしながら血みどろになっていく関係性だけを、私は愛でたいのです。