本能が放たれた日、少女は束ねた髪をほどいた
誕生日プレゼントのリボンをほどくと
いつもの靴、ではなく
華奢なヒールが入っていた
美しいあの人もふたりの間には入れない
あの人が聞く
あなたは誰?
私は…
私は……「狩人」
大好きなあの人が
息のころし方も近づき方も教えてくれた
『私の耳は とても鋭く
私の目は遠く離れた小さな物も見逃さない
欲望が
感覚を研ぎ澄ませる
…
私じゃないものが私を作る
ママのブラウスにパパのベルトを締め
…
花が色を選べないように
人は自分を選べない
それに気づけば自由になれる』
私はー私に気づいてしまった