かさ

おとぎ話みたいのかさのネタバレレビュー・内容・結末

おとぎ話みたい(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

愛おしくて、恥ずかしくて、妬ましくて、
これはみんな好きでしょ…って感じだけど
大衆化されず媚びてない、ギラついてる映画。
ほぼ詩、ほぼ音楽みたいな要素のガタガタさはあるけど、きっとその粗さも含めて作品を形づくってる気がする。
50分のミュージックビデオだったのかもしれないとも思う。

社会科資料室の告白のシーンは
趣里ちゃんの顔しか映らず、それも暗くてあまり分からない。それがすっごいよかった。表情が見えると、感情も結果も既定のものにしかならないだろうし。

手ぶれのカメラが映す、暗がりの田舎道を踊る姿
ライブでの踊り、ワークショップ
にいみ先生からの受け売りの舞踊論
熱烈な告白の後の、ヘアゴムをほどいて階段を駆け上がり、屋上での彼女の舞い。
「若くなんてもうない、次の春は屍。
キチガイって思ってほしい、後にも先にもいない。絶望される身内より、神聖な遠くの者でいたい。私のこと、忘れないでね。」

好きでしょ?って決めつける強さと思い込みの痛さと愛おしさ

人生踊れよ、って言われる
田舎出身者は悶絶する映画。
田舎での発見した喜び、された喜びは強烈やから。死ぬほど恥ずかしい、こういうのたまらんな…。

踊りへの興味とか欲とか、この映画がきっかけだったのかと振り返って気づかされる。
かさ

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