長年ワニ園で飼われていた巨大ワニが経営難から売られてしまい、食用として食べられそうになるが脱出し大暴れ。中国人民をパニックに陥れる。
一人息子を育てる警官の父、ワニに食べられた金を取り戻そうとするヒロイン、腹にイチモツ抱えていそうな悪のワニ業者、長年家族のように大切にしてきた巨大ワニを引き払ってしまったワニ園の園長。ワニがマクガフィンとなり、それをめぐって様々な人間模様が交錯する。
ワニのCGがなかなか迫力があって、たぷたぷした質感の生き物が、水面をゆったり泳ぐ姿だったり地上を案外機敏に動き回る姿を、B級CGの天敵である真っ昼間の中で見せていくのが大迫力。
物語の根幹はコメディなのでそんなに凄惨な事件は起きないのだが、惨劇のあとにくどい程のギャグを平然と挟んでしまうのがチャイニーズコメディのすごいところ。広大な茶畑を背景に、赤いドレスを着たバービー・スーが松野明美のようにわちゃわちゃする様子が可笑しい。
原題『百萬巨鰐』の直訳で『ミリオンダラー・クロコダイル』の方が作品の個性を表しているし、他のワニ映画と差別化できて良いのではないか。
