zhenli13

攻撃のzhenli13のレビュー・感想・評価

攻撃(1956年製作の映画)
3.9
誰が見てもクソ上官のクーニー大尉に70%同情してしまう。父親の権威を笠に着、幼い頃から虐待を受けつつ中年になっても父親から認められたくて必死。だが無能。ときに自分の弱さすら利用し何としても自分だけを守ろうとする。その姿を私は笑えない。
組織の中で尊敬されるような能力と人望のある成熟した人間にはどう転んでもなれない。自分以外の誰かに対して誠実に行動する努力もできなければ、リー・マーヴィン演ずる大佐のように狡賢く立ち回れる能力も無い。それって私のことじゃないか?恥を晒してしか生きられない、未成熟なままの情けない人生、共感してしまう。
大尉役エディ・アルバートは『ロンゲストヤード』で刑務所長も演じている。素晴らしい憎まれ役。ジャック・パランスの最期はドライヤー『奇跡』に匹敵する異様なまでの峻厳さ。
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