ブエノスアイレスの建築や街並みを通して、都市に暮らす人間の精神状態を表現するという新鮮な発想。
10年ぐらい前の作品だけど、出会い系やチャットやyou tubeなどが出てきて今のバーチャル時代と通じます。
無秩序に林立するビル、広告だらけの街、都会に住む人々が何かしら精神的な病を抱えているというところも東京と似ているんではないかな。アルゼンチンほど美しくはないけど。
孤独感がにじむ生活の中、本当の愛が見つけられない寂しい男女の悶々とした様子が描かれます。
狭い“靴箱”のような部屋に一人暮らしをするマルティンとマリアナは、近くに住んでいるのに存在は知らず、すれ違ってばかりでなかなか出会えない。
この2人は一体いつ出会えるのか?この物語はどこへ向かうのか?
そんな疑問を一気に払拭する、そーきたか!と思えるラストからエンディングロールへの展開。
とても爽やかでハッピーな気分になれました。
何も起きないので退屈になりそうなストーリーだけど、可愛いワンちゃん、ビルやアートやグラフィック、ブエノスアイレスの街並などを見ているだけで飽きない。
じゃが玉ストッカーという収納カゴ、スーパードライ缶、アトムのフィギュアなど、日本の小物がチラホラ出てきたのも面白い。
「ウォーリーを探せ」が物語のカギになってるのも楽しい!