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ブエノスアイレス恋愛事情のslowのレビュー・感想・評価

ブエノスアイレス恋愛事情(2011年製作の映画)
5.0
出会いそうで、出会わない。閉所恐怖症の建築家の女と、外出恐怖症のウェブデザイナーの男。彼らの住むブエノスアイレスは、急激な経済成長に伴い建物が乱立されていた。高低の統一感はなく、美学と倫理観がバラバラ。どこか日本と似ているなと思ったりもする、その街並み。

女は愛読書「ウォーリーを探せ」のウォーリーを見つけられない。そんな自分が、この街で運命の人なんて見つけられるのかどうか…出会いはあっても、築いていく自信はない。男は付き合っていた彼女に犬と共に捨てられた過去がある。それ以来、人との接触は極端に避けるようになり、頭痛にも悩まされる日々。そんな引きこもりな自分を変えなくてはと、時々リュックを背負い街へ繰り出す。

マネキンがショーケースを抜け出し、アトムは空に飛び立つ。2人の時間は悪戯に触れ合い、その距離は赤と白のストライプ。ジャック・タチの映画3本持って、出かけたくなる。そんな映画。
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