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クロワッサンで朝食をのhelloloveのネタバレレビュー・内容・結末

クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

似た寂しさを持つ者、外側に居る者。

性格も人生も違う女2人が最後、駆け引きも早々に終え、磁石がくっつくようにようにスッと同じ表情になるところ。清々しさではなく人生が持つ温もりのことを思った。

この2人は同じ方角を見つめることでなく、寄り添うことを望んでいるのだ。

似た傷、似た湿気、過去への思い、音もなく優しく撫で合うような。



矢印がその2人で完結したので、ステファンは若き日からやっと開放されたんじゃないだろうか。



その時は大事にできた。今は…

そんなこともあるね。悪でも善でもなく、ただ人間にはよく在ること。



欲望や外側にしか興味を持たず日々と身を輝かした人間にも、自分の内側に注目し、湿っぽいあたたかさをまさぐっていたい瞬間がある。

どんな人間だってどちらの要素も持っている。どちらに集中するか、タイミングと運命が其々なだけ。



私は、寂しさを感じ合う 静かだけど衝動性を孕むこの状況を、嫌っている。


でも善も悪もなく人間の中に存在する感覚なのかもしれないと思った。



年老いた両親や親戚を見ててもそう思う。


私の人生にはまだ熱を持つ瞬間も石のように丸くなる過程も訪れていないから、その湿っぽい温もりが存在するわけがわからないだけ、と思ってる。
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