故郷エストニアで長い介護生活の末に母を看取ったアンヌ
そんな彼女のもとに、あこがれの街パリでの家政婦の仕事が舞い込む
しかし彼女を待ち受けていたのは、高級アパートでひとり寂しく暮らす気難しい老女フリーダだった
そもそも家政婦など求めていないフリーダはアンナを冷たく追い返そうとするが、アンヌを若き日の自分と重ねるうちに心を開いていく
まぁジャンヌモローの大御所オーラが凄い
タイトルにある通り、アンヌとフリーダが出逢った序盤の方に出てくるクロワッサンのシーン
フランスの代表的な朝の様子であり、クロワッサンに拘りがあるフランス人の文化を前面に出して来ていてる
以前フランスに行った時に食べたクロワッサンの美味しさは、今でも強く印象に残っていて、このシーンありきの舞台設定だなぁという感想
アンヌの優しさをみるとこれは家主にこてんこてんにやられそうな気配がある序盤
案の定鼻からあなたは必要ないわと言われるけれど、いつのまにか心を開いていくフリーダ
そう、フリーダもフリーダで頑な頑固者と思いきやまだ愛情を感じる余地があったりするんです
そんな垣間見える寂しがり屋な一面が、後々彼女自身を救うきっかけになっている
あのアンヌと再会した時の覇気のある姿には、思わず彼女のかつての美しさが見えた気がしました
フランス語や時たま出てくるエストニア語の語感の美しさも併せて楽しめる一作