しろくま

キャプテンハーロックのしろくまのレビュー・感想・評価

キャプテンハーロック(2013年製作の映画)
3.5
《ここは脛に傷持つ連中でいっぱいだ。お前もな》
〝皆ウンザリしてるんだよ。帰れもしない地球を拝んで惨めに余生を過ごすだけの人類にな。こんな時代に生まれちゃ、好きにやらせてもらうしかないじゃないか〟

松本零士大先生の〝宇宙戦艦ヤマト〟と並ぶ名作〝キャプテンハーロック〟がフルCGアニメとして蘇った劇場版。本作は、総製作費3000万ドルの巨費を投じて松本零士ワールドの魂が注ぎ込まれた作品で、単なる過去の作品のリメイクではなく、リブート(再誕)として描かれたってことだけど、それってキャラクターだけを借りて、好き勝手に作りましたってこと?リアルタイムで漫画を読み込んでいる熱烈な〝キャプテンハーロック〟ファンにとって、本作はどのように映っているのだろう。原作のエピソードのいくつかを上手く繋いでストーリーを構成すればよかったのにって不安を感じながら観始めたのだけど…。

冒頭〝遥かな未来、あるいは遠い過去のことかもしれない。他の銀河にまで進出し、幾多の植民惑星を開拓した人類は…〟って感じで〝スターウォーズ〟のように、エピソードゼロが語られるのだけど、〝カムホーム戦争〟とか〝ガイア・サンクション〟とかかなり壮大な設定で、それに逆らっているのが〝キャプテンハーロック〟ってことね。

CGで描くバトルシーンは迫力があるし、ドラマパートもいろいろな謎がちりばめられていて先が読めない展開。キャッチコピーの〝空前の出来、もはやこれは伝説だ〟と〝タイタニック〟〝アバター〟のジェームズ・キャメロン監督が絶賛したっていうのも納得の作品だけど…。

じゃあ、なんでこんなに評価が低いのかな。それってファンにそっぽを向かれるような〝キャプテン・ハーロック〟らしくないところがあったってこと?それともツッコミどころが多かったストーリーのせいなのかな?

視聴メモ:2025.03.01/044/東映アニメーションミュージアムチャンネル
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