ろくすそるす

ショーガールのろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

ショーガール(1995年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

再見。
 祝ブルーレイ発売!我らがエログロ界の大巨匠ヴァーホべンのラジー賞総なめの伝説的傑作。
 ヒッチハイクして、スーツケース丸々盗まれた一文無しのノエミは、カジノの町ラスヴェガスで、お下劣なストリップで日給を稼ぎながら「ショーガール」のダンサーを目指す。 
 短気でがさつ、雑だが激情的なダンスを踊る女がギャンブルの町で自分を賭けてのし上がってゆく映画だけれども、流石はヴァーホーベン。前半は夢を追う青春ガールズ映画のような感じ(夢を捨てて去ってゆく振り付け師を目指すチンピラのジェームスが秀逸)だが、いざショーガールになった後半からはきらびやかなショーの裏の腐った糞みたいなたちの悪い汚い世界を描いていて、もう最高。楽屋裏での女同士の妬み嫉み悋気。猿の暴走。
 そして、ノエミをこの道に引っ張り込んだショーの大スター・クリスタルが、ノエミに嫌がらせをしてゆく。一方でクリスタルの恋人だったマネージャーのザック(カイル・マクラクラン!)はノエミに入れあげてゆく。恋人を奪われたクリスタルはノエミの若さへの嫉妬でますます彼女を侮辱してゆくが、我慢の限界を越えたノエミは……。
 ノエミもまたスターとなって生きてゆく。それが正しいかどうかはともかく……(そもそも正しいって何の芸能の世界)。
 個人的にはノエミの親友モーリーが、大ファンであるアイドル歌手アンドリュー・カーヴァーのもとへ行ったら、相当なゲス野郎でマッチョ二人使ってボコボコにしてレイプされてしまうシーンが一番、衝撃的だった。
 でも、その後のアンドリューへの復讐シーンが主演女優のノーパンでハイキックという、性器丸だしの演出がいかにもヴァーホベン的で、『氷の微笑』も際どいけれど、こっちは完全にアウト(笑)
たぶん、ラジー賞の最大の原因はここかもしれない。
 個人的にSF型戦争映画『スターシップ・トゥルーパーズ』や中世の不条理なエログロ悲劇『グレイト・ウォーリアーズ 欲望の剣』と同じぐらい好きな人生逆転劇のドラマ。