垂直落下式サミング

ROAD TO NINJA(ロード・トゥ・ニンジャ) NARUTO THE MOVIEの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
まず、敵組織・暁の味方復活がうれしい。派手な刺繍で忍ぶ気のない黒地に雲の装束には萌えが詰まってる。萌え袖と口隠し!特に、鬼鮫のつぶらな瞳とは親和性が高めだ。あれの下に霧隠れのノースリーブかタートルネックのセーターみたいなやつを着てると想像してみたのだけど、ちょっとエッチすぎやしないか。
推しの鬼鮫。皆が各々の突出した一芸に秀でていて、初見殺しを得意とする暁メンバーのなかでは珍しい、身一つで戦う単純なパワータイプ。ガタイがよくて、くっそ強いのに口調が丁寧なのがいい。
NARUTOのなかでも、イタ鮫は覇権カップリングではあるけれど、僕は鬼鮫が死ぬとき走馬灯にあらわれた女性との関係が好き。その過去とは、かつて干柿鬼鮫が霧隠れの忍だったとき、とある護衛任務の最中に敵の追跡をうけて、ひとまず交戦しながら撤退するも、全員を守りきることは不可能と判断し、敵に情報を渡さないために仲間を皆殺しにするというものだった。
任務中、汚い仕事ばかりを請け負っている自分を冷遇せずフレンドリーに接してくれた女性までも、彼はその手にかけるのだが、アニメオリジナルでは死に際の彼女に人生を憐れまれたことが、彼の忍びとしての道を決定付けた鮮烈なトラウマであるかのような演出がなされている。
任務に忠実であろうとするために仲間を裏切り続ける男の苦しさや、その経験から暁の掲げる破滅的な理想主義に心のどこかですがってしまう脆さが、彼の魅力的なところだと思う。その女性との絡みは、pixivでも数件しかみつけることは出来なかったが…。マイナーカプ厨の民はインターネットの砂漠を彷徨うしかないのか…。
この映画も、本編の二次創作ifストーリーとして位置付けられているため、まあ、日々そういうもんにすがって生きているオタクに、わずかな夢と目覚めを与えてくれる。
たまにはこういうのもいいじゃない。