ジョンマルコビッチ総統

ウォールフラワーのジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.4
青春時代のある種の力任せなエネルギーとすぐに壊れてしまうほどの繊細さを、この映画は余すところなく切り取っている。
ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラーら登場人物たちの纏う透明で心許なげな気配も、トンネルの夜風やむせ返るパーティ会場の空気感も、記憶を辿ると何処かで出会ったことが、感じたことがあるような思いがする。

思えば、学生時代には社会人になってからとはまた違う「仲間」があったように思う。壁の外側を知っている人間が、居場所を見つけたときのあの満たされた気持ちは自分にも覚えがある。

そんな心の琴線に触れる、懐かしく少し切ない良い青春映画。