Torichock

プロジェクト XのTorichockのレビュー・感想・評価

プロジェクト X(2012年製作の映画)
2.6
「PROJECT X/プロジェクトX」

最新作「エージェント・ウルトラ」用に、再アップ。

"パーティージャンキー。仲間意識確認病。パーティーで話すのはこの前のパーティーの話。一度ハマッたら抜け出せねぇ病気。パーティーで注目されるコトだけが生きがいのヤツら。" by 丑嶋馨 〜闇金ウシジマくん トレンディーくん編より〜

"ハングオーバー"シリーズのトッド・フィリップスがプロデュースした、ティーンの誕生日をハチャメチャにしまくるコメディ映画。
いわゆる、ドラッグあり・酒あり・オッパイとケツあり・プール飛び込みOK・予測不能のオンパレードを繰り広げるタイプの作品としては、"ハングオーバー"とかなり似てる作りなんですが、こっちは"ハングオーバー"の、"酔っ払って引き起こしてしまった事態の後始末に振り回される話"ではなく、"酔っ払ってよからぬ事態を引き起こす"ところを描いてます。
ここの違いは僕にとって、あまりにも大きいものでした。

記憶に対して"そんなことをしてしまったんかい!"と、ツッコミを入れることのできるハングオーバーに比べて、本作は"なんでそんなことをするんだ?"という現状を描いてる。それは、僕にとって少なくとも許し難い行為だったり、腹立たしい行為だったりするわけです。過ぎ去ったことは笑い飛ばせるけど、現在進行形では怒りを覚えるような感覚。

矢口史靖監督の"ロボジー"で確信したんですが、僕は割とメインキャラクター側が、非道徳的な行為を"しているところ"を観るのが嫌いなんだと思います。そして、さらにいうらば、それが"若気の至り"や"青春の一ページ"的に許されるのを最も嫌う。

主役のトーマスが最後、幼なじみに許されたり、父親がなぜか"やるなぁ"みたいな雰囲気出したり、学校の連中に喝采を受けているシーンを見て、本当にイラっとした。最後の最後で、罰せられたのは本当によかったですが、コスタのクソ野郎が無罪放免で調子に乗って生きてるのもなんか腹立たしい。
僕は、あんなパーティーは行きたくないし、知らない奴に誕生日を祝われても嬉しくもないし、友達100人もいらない。
そして何より、彼らが高校生で、ティーンで、結果的にはすべての責任を取れないのが見え透いている。
それは僕にとって不愉快極まりないものでした。

しかし、面白くないわけではないんです。エクストリームな行動の中の悪ふざけやそんな渦中においても間の抜けたJBなんかは、本当におもしろかったです。
オーブンに、"パイレーツ・オブ・カリビアン"のあの小さいけど強面の俳優さんを突っ込むシーンとか最高に笑えましたし、JBのその後は一番まともというかおもしろかったです。
あとはなんといっても、クソガキ自警団。注意しに来た大人に思いっきりぶん殴られる子も面白かったですが、個人的には黒人の方が最高でした。久しぶりに、子どもがいきがる姿を見て、胸キュンでした。

子どもがぶん殴られるシーンや小人イジリ、あげくに精神鑑定で言い逃れする家族で笑っておきながら、倫理的にどうこう言う僕の倫理観にも問題があるので、この辺で!
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