ogihara

静かなる叫びのogiharaのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
4.2
不条理な悲劇を経験した彼ら・彼女らが、後遺症として残る恐怖と各人の仕方で向き合っていく。タイトルの意図を汲むならば、事件後に彼らに残した心的外傷と、加害者が事件を起こすまでに経験してきたそれこそが、声にならない苦痛として提示されていると考えられる。

つまり当の悲劇は決して突発的に起こったわけではなく加害者にそれまで蓄積された諸要因をこそ目を向けるべきであり、また悲劇は決してその瞬間の一回的なものではなく断続的に当時者を苦しめるということ、その声にならない叫びにこそ耳を傾けるべき、ということだ。
ogihara

ogihara