T太郎

ヘッドハンターのT太郎のレビュー・感想・評価

ヘッドハンター(2012年製作の映画)
3.7
990
ノルウェー発のサスペンス映画だ。
アクション映画とは思わない方がいい。
これはストーリー自体が面白い、サスペンス・スリラーなのだ。

主人公はロジャーという身長168cmの男だ。
やり手のヘッドハンターで、かなり有能である事が伺える。
妻のダイアナは長身のブロンド美女で画廊を経営している。

なぜ、身長の事を持ち出したかというと、ロジャー自身がナレーションで強調しているからだ。

彼はやり手だが、身長にはコンプレックスがあるのだろう。
ダイアナに近づく長身でハンサムな男には、非常に警戒心を抱くのだ。

私も気をつけるとしよう。
なんせ長身でハンサムなもので・・・
ごめんよ、ダイアナ。

そんな地位も名誉もあると思われる私・・違う、ロジャーなのだが、実は驚くべき裏の顔があるのだ。

絵画専門の快盗なのである。
白昼堂々と邸宅に侵入し、次々と名画を盗み出しているのだ。

一体なぜ、彼はそのような犯罪に手を染めているのか。

金である。
長身でブロンド美女のダイアナを自分につなぎ止めておくには、大金が必要だと彼は思い込んでいるのだ。

そして、クラスという男が登場する。
若く高身長でハンサムなナイスガイだ。
元有名企業の経営者だという。
ダイアナとは知人らしい。
彼女を通してロジャーはクラスと知己を得るのだが・・・。

ロジャーは、クラスが桁違いの名画を自宅に所有しているとの情報を得るのだ。
これは、是非とも行かなければならないだろう。
快盗ロジャーの出動だ。

しかし、彼はクラスの屋敷で、とんでもない事実を知ってしまうのだ。
クラス宅の寝乱れたベッドの上で、ダイアナの携帯電話を発見してしまうのてある。

オーマイガー!
ショックを受けるロジャー。

しかし、ダイアナに問いただす事はできない。
それとなく、チクリチクリと話題を振っていく。

だが、脛に傷持つダイアナはそのチクリで感づいたようだ。
彼女は誰かに連絡をとり・・・

以上は序章に過ぎない。
物語はここからなのである。

なぜか、クラスが執拗にロジャーの命を狙うようになるのだ。
追うクラス、逃げるロジャー。
追い詰めるクラス、逆襲するロジャー。
血とウンコと裏切りにまみれた逃亡劇だ。
果たして、ロジャーの運命や如何に!  

そんな物語である。

かなり面白かった。
クラスの追跡が、実に執拗で容赦がなくて良かった。
対するロジャーの必死の防戦も、泥臭くウンコ臭くて良かったのだ。

退屈する事なく鑑賞できる佳品だと言えよう。

「殺したいほど愛されて」という作品を少し思い出した。
私が大好きな映画である。
ダドリー・ムーアとナスターシャ・キンスキー主演のコメディ映画だ。

低身長の夫が嫉妬のあまり、絶世の美女である妻を殺害しようとする物語である。

詳しくは触れないが、とても面白いので、気になった方は是非ともお手に取っていただきたい。
T太郎

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