【キャスティングがイマイチ】
フランス映画。パスカル・フェラン(女性)監督作品。D・H・ロレンスの有名な小説の何度目かの映画化である。
英国の名門貴族に嫁いだ女性が、夫が第一次大戦で下半身不随になって満たされない生活を送っているうちに、領地内の森番と知り合って不倫を重ねつつ生きる喜びを取り戻す、というお話。
自然の中で二人が生きる喜びを発見するあたりの描写はたいへん良くできており、悪くない出来だとは思うが、キャストに今ひとつ納得がいかない。まあ、これは私の先入見かも知れないけど、ヒロインのマリナ・ハンズは上流夫人にはどうも見えないのである。変に色っぽいが品位が今ひとつ。相手の森番も野性味が不足しており、むしろ人間的な弱さがうかがわれる。
もっとも、そこが女性監督の狙い目で、男を単に女の救い手として描くのではなく、相互に「癒し」を与え合うという物語にしたかったのではあろう。
ただ、それで映画としての説得性が高まるかどうかは、また別の話だと私は言いたいのである。