皿鉢小鉢てんりしんり

赤い航路の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

赤い航路(1992年製作の映画)
3.5
警察に尋ねられたら、説明に非常に困るシチュエーションで、自殺されるという最大の嫌がらせをもって幕を閉じる映画。

ポランスキーについてはパラノイア、不条理不気味系演出はとても好きだが、性関係パワーゲームにはあまり興味がないタチなので、題材的には惹かれず。そんなこともあってか、ややチープにも見える痴情のもつれ話が、どこまでが敢えてで、どこまでが本気でやっているのだか、自分にはほとんど判断がつかないが、フェラチオの後ろで、トースターからパンが飛び出す演出は、さすがにふざけきっているとわかる。

船内パーティで船が揺れて、みんなが一斉に具合が悪くなる中、踊り続ける女2人、なんていう終盤のシーンなどには、ポランスキー的な表現主義演出感が垣間見えつつ、照明は真っ白けでちょっとダサめ(そのダサさが船内パーティ感に貢献している)というので、バランスを利かせつつ……
祭りの後のゴミだらけの部屋を映してくれると、どんな映画でもグッとくるね。