くろまめ

言の葉の庭のくろまめのネタバレレビュー・内容・結末

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

新海監督の光彩の美しさは純粋にその世界に浸らされる。
引き摺り込まれるとかじゃなくて、美術館に絵画を見に行った様な、写真家の個展に行った様な、その世界観に浸る感じ。



新海作品って、宇宙とか、星とか、時々とてもスケールの大きい話しになるけど、私は『 秒速5センチメートル』みたいな、日常の方が好き。



日常なのに、雨が降るとそこだけ切り取られた2人の世界になるって言うのがとても綺麗に描かれていて、『 サンクチュアリ』とか、『 秘密の花園』って言葉が浮かんだ。



キーワードで『 靴』、『 万葉集』が、上手に活かされていて、ショートムービーだし、ありきたりなラブストーリーなのに、映像と音楽が綺麗に響いて、思わず涙がこぼれた。




個人的に万葉集好きだから、なんて美しい言葉が日本にあるんだろう。と、心洗われた。
それと一緒に雨も洗い流す役割と言うか、浄化してくれる気がした。



大江千里の『 rain』は、ぶっちゃけ世代じゃないから聴いた事無かったけど、秦基博の綺麗な声がとても良いタイミングで掛かって、山崎まさよしの時と同じく、ダウンロードしようかと思った。
この曲聴きながら雨の日に通勤したら、ちょっとは通勤時間も憂鬱じゃなくなるんじゃないかな。



作品の中で、『 全然違う世界を見てた』ってセリフがあったけど、それが雪野には救われたんだなって思った。
ある意味、15歳でこのマイペースは大丈夫か?
1歩間違えたら、自己中だぞ。と、思わなくもないけど、きっと彼なら大丈夫だと思う。
真っ直ぐだもの。



疲れた時に、何でもない時間に、観たくなる様な映像と、丁度良い長さ、そして鑑賞後は少しだけ雨の日が好きになる。そんな作品でした。
やっぱ新海監督好きだなぁ。
くろまめ

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