ふくちゃん

言の葉の庭のふくちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

タイトルは3〜4年前から聞いたことあったけどずっと観れていなかった映画。
46分の短い作品。『君の名は。』で一躍有名になった新海誠のアニメーション。新海さんの作品って正直まだ全然知らなくて。『君の名は。』はおもしろかったけど、私の中でまだ大きな信頼はなく、『言の葉の庭』では1時間足らずでどこまで連れてってくれるんだろうという期待と不安を両方抱きかかえて鑑賞。

靴職人を目指す高校生のタカオは、雨の日の午前は決まって学校をサボり庭園で靴のデザインをする。ある日、そこで出会ったユキノと少しずつ心を通わせていくのですが、ひとつひとつの描写がすごく綺麗!!2人の間にある空気感がものすごく心地いい!穏やかな時間の流れが感じられて好き。って思ったのは私だけじゃないはず。

内容的にもグッとくるものがあって。(ここかれネタバレ注意!)いつもの場所で一緒の時間を過ごしていくうちに惹かれあう2人だけど、年齢も立場も異なる2人が学校や職場だとか、いつも過ごしていた庭園での時間だとかを異なった捉え方で見ていたことを知って彼らはお互いの事を全然知らないって気づいてしまった。タカオが心惹かれてたのは、雨の日には仕事をサボって、朝からビール飲んで、組んだ足をぷらぷらさせながら本を読んだりする、自由で謎の多い女性。他人が勝手に騒ぎ立てた噂に追い込まれてビクビクしているユキノではない。ユキノが求めていたのも夢を追う青年ではなく、社会復帰のためのリハビリ。心地いい自分の居場所。それに気づいてからの最後の階段でのやりとりがなんとも切ない。
でもやっぱり庭園で過ごした2人だけの時間はたしかにあって、お互いに大事なものであったのもたしか。別れを選んだけどずっと思い続けてるのは、虚像か実像か。
後からいろんなシーンを思い返す度に複雑な気持ちになります。
ふくちゃん

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