どちべそ

言の葉の庭のどちべそのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
4.0
雨の新宿御苑に行ってみたくなる。

特に印象に残ったのが、雨の日のユキノの部屋でフローリングにゆらゆらうつる雨の影。とにかく雨の演出がいい。


天気の子を先に見てるせいでこちらも子ども向けかなーと勝手に思ってたけどユキノ先生が27歳の仕事に悩む女性だったり、その年だからこそであろう後ろ暗い描写があったりして、大人でも楽しめた。

作りたいシーンを先に作って後からストーリーを無理やりくっつけた感はなく、全てに筋が通っていて話の終わったその先もいろいろ考察できる。短い作品だったけど、むしろその短さがいい。













星を追う子ども→君の名は→天気の子→言の葉の庭の順に見てる

天気の子はどうも中学生〜高校一年生くらい向けな気がしてあまり肌に合わず残念だったけど、言の葉の庭は大人がみても楽しめる。

ユキノ先生が27歳の女性で、勤め先の学生に被害を受けて学校に来られなくなったり、そのせいで味覚が鈍くなったり、自身も何となく後ろ暗い恋愛を思わせるような描写があったり。この人のありふれた人間性と透明感のある声にすごく好感が持てた。

タキオも将来やりたいことがしっかりあって、そのために努力をする大人びた一面がある一方でユキノ先生を退職に追い込んだ先輩と喧嘩する大人ならやらないようなことをやっちゃう若い一面があったりしてアンバランスさが良かった。その歳にしては人間性ができすぎてて高校生としてのリアルさは全くないけど。

天気の子や君の名はのようなRADを前面に出した音楽の演出はないけど、ラストシーン秦基博の歌が流れてぶわっときた。

天気の子でスポンサーの押し売りがちょっと気になってたんだけど、同じように商品が出てくる言の葉の庭はそれがあまり気にならなかった。天気の子よりで出てくる商品がわざとらしくないし抑えめだからかな。
たしかにわざとらしいといえばわざとらしいんだけど、タキオが見てる夢のシーンでDIANAのロゴを見た時はちょっと感動した。

ちょうど雨が降りそうな天気だったので楽しめた。
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