あきしげ

ビッグショット・ダディのあきしげのレビュー・感想・評価

ビッグショット・ダディ(2009年製作の映画)
2.0

WOWOWで放映された時には、
『ディア・ダディ/嘘つき父さんの秘密』
というタイトルだったようです。

俳優やコメディアンとしても活躍している、
ボブキャット・ゴールドスウェイトによる、
監督と脚本として4本目の作品となります。

皮肉にブラックジョークを塗りたくった。
まさに本作はそのような構成になります。
終始に渡って微妙な重さのある内容です。

カラッとしているのに爽やかじゃない。
笑える箇所はあまりにもマニアックで、
予想する範囲の中でキッチリと収まる。

中盤まではありえないほど退屈。
後半のギャップを効果的にする。
その為に前半は意図的に退屈だ。
最大の難関とも言えるであろう。

では、中盤を乗り越えたら超絶に面白いか。
残念ながらずっと安定した低空飛行である。
盛り上がる息子の自殺後の展開は白々しい。
嫌われ者が一転してカリスマ的な人気者に。
映画的すぎる強引な盛り上げに賛同できず。

主人公のランスは冴えない高校教師。
でも、実は長年作家志望を夢見る男。
ロビン・ウィリアムズが演じている。
彼が演じているだけでもありがたい。
だが、彼の魅力は活かされていない。
ラストでの笑顔こそが彼最大の魅力。
カタルシスを生むまでが退屈すぎる。

ランスの息子であるカイル。
学校の中では嫌われ者です。
ダリル・サバラが演じます。
趣味は窒息によるオナニー。
それが原因で事故死します。
だが、父親の遺書で有名に。
あまりにも憐れすぎました。

ランスの同僚で恋人の美人教師クレア。
演じているのはアレクシー・ギルモア。
最初から胡散臭い恋人という立ち位置。
カイルは尻軽女と言うけど描写はない。
ただ、彼女の行動はビッチだと思える。
ラストの行動はどういう心理か考えた。
「息子の死を利用するなんてクズだ」
「ウソつきの恋人なんて絶対にイヤ」
「私はやっぱりイケメンが好きです」
さて、どの理由か知りたいところです。

本作は夢を叶えたい中年男性の物語。
その一方で息子と仲良くしたい物語。
恋人とは上手くやっていきたい物語。
イケメンの同僚教師に勝ちたい物語。
何もかも成功して手に入れたい物語。

しかし、現実は過酷で皮肉がある。
ブラックジョークこそが物語の肝。

本作は中盤までもの凄く退屈である。
ロビン・ウィリアムズだから耐えた。
それ以外だったら耐えられないです。
中盤以降も微妙な感じで展開します。
ラストだけはカタルシスを生み出す。
ロビン・ウィリアムズの笑顔は最高。
これだけは本作で認められるシーン。
あとは個人的に退屈すぎた物語です。

RE-218
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